建物の重さは、上から下へと流れてゆき、最後に地盤に伝わりますが、風や地震で横からの力がかかった時には、建物を持ち上げて基礎から引き抜くような力がかかります。
アンカーボルトは、その時に鉄筋コンクリート造である基礎と、木造の上屋を一体化させる役割をするのですが、この家、アンカーボルトにナットがはまっていません!!
これでは、『ずれ止め』以上の効果は期待できません。構造を理解しているとありえないのですが、この時代の建物にはよくある話だそうで。。。
建物を第三者がチェックする、中間検査や瑕疵担保責任保険の検査がない時代は、建物の内部、見えなくなる部分は大工さんの独自判断で勝手に進化したりするので怖いです。
とはいえ、建てられてから40年以上、特に問題が起こらなかったのも事実。これは、建物のフォルムが昔風の、1階が大きく2階が小さい形状のため、引き抜き力があまりかからないのが主要因と思われます。しかし、この形状は、2階の柱、特に4隅の柱の直下に1階の柱がないため、1階の梁に無理な力がかかってしまいます。
2階の柱・壁の下に1階の柱・壁がない問題は、2階をおろしてしまい、平屋化するのが最大の解決策です。これはすぐではないですが行う予定。
で、アンカーボルトのナットですが、アンカーボルトがさびていることと、当時と現代の規格が違う関係で、新しいナットをはめようとしてもはまりません!
いろいろ悩んだ結果、アンカーボルトに直接、角型のワッシャーを溶接する作戦!
最初に、100Vで使える安価な溶接機を購入してみたけれど、母材を溶かし込む威力がなく大失敗。そんなことをFacebookにアップしていたところ、七戸町からわざわざ立派な溶接機を持って、小原工務店の小原さんが現場に駆けつけてくれました。マジ感謝!
アンカーボルトが短い部分は土台を彫り込んで角型ワッシャーを設置。
溶接が完了した状態がこちらです。アンカーボルトと角型ワッシャー、溶接棒が溶け込んで一体化し、太極旗の模様のようになっています。後はさび止め塗装をして完成。
耐震補強をしっかり行う予定なので、引き抜き力は以前より増しますが、平屋の大きくない引き抜き力であれば十分に耐えてくれそうです!
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